建國假日玉市に行ってきた

 建國假日玉市には、8年ほど前、知り合いにつきあって一度だけ行ったことがある。機会を見て再訪しよう、と兼ねて思っていたので行ってきた。假日(休日)の名のとおり、たぶん土日祝日しか開いていないと思う。
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 その8年前のときには、知り合いがタクシーで行ったのでちょっと遠いとこだった印象があったのだけど、忠孝新生の駅から歩いても10分そこらのとこでした。

 以前はあまり出歩かなかったので見えてる範囲が少なかったのだけど、少しいろんなとこへ足を伸ばすようになってから、それだけ台湾が少し狭く感じられるようになってる。
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『ペイ・フォワード』

 貨幣に代わる新たな決済方法とか、損する孫会員の出ない、きれいなネズミ講みたいな新商法とか、そういう画期的な経済か経営理論を少年が提唱した! って話だと思って、期待してたので非常に惨憺たる結果に。

 この映画の風景って、私が子供のころ、80年代に『E.T.』なんかの映画の中にあった「アメリカ」がほとんどそのままなんですよね。アメリカの子役ってませてるなあとか、アメリカの学校って服装とか授業態度とかこんな自由なんだとか、まだあどけないのに、大人びたセクシーな服や化粧してる同級生の少女とか、親に対して友人みたいな話し方・接し方するんだなとか、親の収入がよくなさそうなのに、広い部屋に住んでるなあとか。

 実際のアメリカ社会がどうなっているか詳しくないですが、ここ十数年だと、映画の登場人物にもアジア系だったり、ヒスパニックだったり、白人以外が混ざる割合が増えてたり、『フローズン・リバー』みたいに本当に貧しい白人家庭だったり、そういう描写が多かったように認識しています。

 少年が提唱した「ペイ・フォワード」運動は、本人も知らぬ間に、遠く離れた都市にまで伝播していた、という展開だったので、『ファイトクラブ』のように、ペイ・フォワード理論の信奉者たちによる地下コミュニティが発達して… という話でももちろんありませんでした。 

"Pay It Forward"(2000年 監督:ミミ・レダー)

『ザ・ビーチ』

 レオナルド・ディカプリオが、『タイタニック』直後に出演したことで注目を集めた作品だそうです。

 ディカプリオ演じるアメリカから来た白人青年が、同じく白人のフランス人男女と共に、三人して隠された秘密の島を目指して旅立つ序盤は、古き良き冒険もののようでちょっとわくわくさせられます。
「あの島まで何キロメートルくらいある?」
「僕はアメリカ人だからね、マイルで言ってくれないか」
なんて、会話もそれっぽい雰囲気があって好き。

 フランス娘のヴィルジニー・ルドワイヤンが可愛すぎて、画面にちょっと映るだけでどきどきしてしまうくらい。物語の本筋なんか、終いにどうでもよくなって、ぜんぶヴィルジニー・ルドワイヤンにごっそり持っていかれました。

"The Beach"(2000年 監督:ダニー・ボイル

『ミリオンダラー・ベイビー』

 30歳を過ぎてからプロボクサーを目指すマギー(ヒラリー・スワンク)は、イーストウッド演じる老トレーナーによってその才能を開花させ、ついにチャンピオンへと駆け上がる。そんなある日、彼女のもとへ欧州からきたと名乗る使者が訪れる。実はマギーは、とある小国の王侯の血筋であり、幼い頃に養子に出されたものの、候位継承順の問題で呼び戻されることになったのである。貧しい労働者階級で育ったマギーの人生は一転し、急遽、上流階級で生きていくための礼儀作法を身につけることに…

 というあらすじは、私がでたらめに書いた与太ですが、構造としては大差ないです。こんな展開の物語を見せられた人は、腹を立てるか飽きれるか、そうでなくても荒唐無稽なおとぎ話の類いだと思うでしょう。『ミリオンダラー・ベイビー』はそんな映画です。物語にはそれなりの脈絡というか、作り手と受け手の間で約束ごとを積み上げていく作業があって、「観客を裏切る」にしても基調ごと覆したらついていきませんって。

 視聴前に目に入ったレビューで「後味が悪い」と書かれていたのが散見されたので、私が予想したのは…

 1、無難なマッチメークしかしてくれない老トレーナーと仲違いしたマギーは、悪名高いプロモータのもとへ移籍してチャンピオンになるも、その後の過密な試合スケジュールでまもなく身体を壊し、短い選手生命を終える。

 2、順調に勝ちを重ねたマギーはついに王者に挑戦するものの、直前の練習でケガをしてしまい、試合は惨敗する。その後、故障が慢性化したマギーは試合で勝てなくなり、自暴自棄となって生活も荒んでいく。

 「後味が悪い」結末っても、せいぜいこんなものかなと予想してたのですけどね。 

 "Million Dollar Baby"(2004年 監督:クリント・イーストウッド

SONY NEX-5R 経過報告

 ボディだけ購入してから半月ほど考えて、レンズは結局 Sigma 60mm f2.8 にしました。当初は Sony 50mm f1.8 目当てだったのだけど、フードもつけると長過ぎるし、あんだけフードが深いと指を入れてPLフィルタ回せるのかが心配だったので。あと、Sigma DNシリーズはいずれも廉価なわりに、評判もよかったこともあり。

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 レンズつけるとさすがに長くて、パンケーキ付けてたフォーサーズに較べると携行に難があるかと考えていたのですが、その点は意外と問題を感じず。全体的に軽く作られてますし。

 コンデジ以外でハンドストラップ運用ってしたことなかったのですが、NEXシリーズは小さいのでどうしてもハンドストラップで使いたかった。レザーが好きではないので他の素材で探したのだけど、ミラーレスサイズ用のハンドストラップとなるとほとんどレザーで、見較べてよかった Nikon1 用のを購入。

 で、肝心のカメラの使用感ですが。レビューでも散見されたように起動に約3秒ってのが意外と待たされる感じがする。たぶん液晶モニタが点くまでが遅いので、体感的に長く感じるのもありそう。まだ撮影できなくてもいいので、もう1秒でも早めに映像が見えれば違うと思う。


 ただ、NEX5 の液晶モニタはかなり見やすくない。RX100 と同じ3型らしいのだけど、並べてみたら NEX5 のほうがひとまわり小さいし、RX100 に較べて映像も鮮明ではなく、このモニタでフレーミングするのはいくぶんストレスを感じる。もともと NEX5R/5T で検討したのは、外付け EVF を付けたかったからなので、液晶モニタにはさほど期待はしていなかったとは言え。


以上2点は、NEX-5R Sigma 60mm f2.8 にて撮影。

『Vフォー・ヴェンデッタ』

 コミック原作なのは知らなかった。

 ガイ・フォークス仮面の男「V」が、ナタリー・ポートマン演じるヒロインを鍛えて目覚めさせるべく、秘密警察を装って監禁し、丸刈りにし、拷問する。解放された彼女は、当初憤慨するものの、「あなたのおかげで私は覚醒できた」と感謝する。ありえない、というかそれじゃ洗脳の類い、ストックホルム症候群みたいなものなのでは……

 映像の印象としては、なんか画面が狭い。寄りの画が多すぎるのではないでしょうか。

 『世界の中心で愛を叫ぶ』の映画、ドラマで、長澤まさみや綾瀬遥が丸刈りにしたとき(劇中では投薬が原因なので、正確には脱毛なのだろうけど)、「髪型なんて特殊メイクでいくらでも変えられるのに、若い女性に丸刈りを強いて話題作りするなんてひどい」と言った話を聞いたものですが、ナタリー・ポートマンは実際に丸刈りだったそうで。『タクシー・ドライバー』や『アンタッチャブル』での、ロバート・デニーロの髪型はメイクらしいのですが。

"V for Vendetta"(2005年 監督:ジェームズ・マクティーグ

『ブラック・スワン』

 ナタリー・ポートマンがあんまりバレリーナっぽくない、という点は、バレエというのが殊更、体型・外見に現れる職業なのでしかたないとして。「何かとてつもない才能を奥に秘めているかもしれない」感じがポートマン演じるニナになく、バレエ監督の目にとまって主役に抜擢されるのも説得力に欠ける。「潜在能力を秘めているっぽさ」は体型とは違って、演技や演出でどうにかできるので工夫が欲しかったところ。

 ポートマンはたしかに熱演しているのですが、これってディカプリオが言われているところの「眉間にしわ寄せている演技」と同じで、くどくて、これを好い演技とはなかなか言いにくいと思うんですよね。ポートマンの場合は「八の字眉の演技」でしょうか。

 このポートマン=ニナの表情が一転するのが、同じバレエ団員で、ライバルでもあるリリーに誘われて、母親の静止も振り切り夜遊びに出たとき。抑圧的な母親から離れて、酒とドラッグで次第にほぐれてゆき、リリーとじゃれあうニナの顔はとても生き生きとして眩しい。ここからこの悪友に染まっていき、母親から解放され、ニナは覚醒していくのか? と期待していたのですが、そのあともまた煮え切らない状態に。

 ニナがいつも白を基調とした服や下着を身につけているのは「白鳥」を表しているのでしょう。そして冒頭からしばしば「黒いニナ」の幻影が現れるのですが、これこそが彼女の解き放たれるべきダークサイドなのか、と考えていたのだけど、ニナは最後に「黒」を刺し殺してしまいます。そうしてついに彼女は神がかった舞踏を見せるものの、「黒いニナ」が解放されたのかどうかは解釈に迷うところ。疾走感やカタルシスを目指してなかったのでしょうけど、願わくば、リリーと手を取って二人、逃避行して、ニナが解き放たれてゆくほうの展開を観たかった。

Black Swan(2010年 監督:ダーレン・アロノフスキー