『フローズン・リバー』

 筋書きや設定だけ聞けば、涙ものにも、スリリングなサスペンス仕立てにもなりそうな話ですが、本作にはそういったどぎつい演出はないです。劇的な展開を期待していると外れますが(あらすじを読んだとき私は、そういう作品かなと思っていたのですが)、品のある、けれん味のない作品です。

 標題になっている「凍れる川」というのが、何かの暗喩になってそうに聞こえたのですが、本編を観た感じでは特にそうは読みとれませんでした。もちろん凍った川が、物語の舞台なのでそのままなんですが。何か意味深い象徴的にも聞こえてしまうので、もう少し違ったタイトルのほうがよかったかな、というのが個人的な感想。