『孫文の義士団』

 香港上陸が数日後に迫った革命家・孫文。その暗殺計画を企む刺客団と、それを阻止すべく奮戦する義士たち。というと、スリリングな駆け引きとか諜報合戦とか、そういうのを期待してたんですが、荒唐無稽で、派手な香港カンフーアクション映画でした。期待が外れて残念。

 范冰冰がどうしようもなく魅力もないひどい役柄。元の亭主(甄子丹)が、博打ばかりしてるので愛想を尽かして離婚し、二人の間にできた娘を連れて、大商人の李老闆(義士団の首魁の一人)の側室に入った女性です。李老闆が危険を冒して、刺客団と戦おうとしているので、その身を案じた彼女は、唐突に元亭主の家を訪ねて「李老闆の護衛をしてくれ」などと迫るわけです。裕福な大商人の夫がもし死ぬようなことがあったら、側室の自分も安泰じゃないですからね。縁を切った夫に対し、再婚した相手を守れと頼むだけでも図々しいと思うんですが、「実の娘が可愛くないのか」と娘をネタに強請るのもひどい。甄子丹は、この元妻に懇願されたとおりに、刺客と奮闘して命を落とすし、この後、范冰冰は出てこないし、感情移入も共感もしようがないです。