『ナバロンの嵐』

 1978年公開のちょっと古い映画。『ナバロンの要塞』の続編。

 小学校のころ、TV放映されてたのを後半から観た憶えがあって、ラストシーンの台詞がとても印象に残っていました。主人公一行は敵軍の渡河を阻止するべく、橋を崩落させることに成功するのですが…
 「我々は敵陣である川の対岸にいる。しかし橋は落としてしまったので向こうに戻れない」
 さあどうする!? という台詞で映画は幕を下ろします。ちゃんと冒頭から全編通して観てみたいとかねて思ってました。若かりしハリソン・フォードが出ています。記憶では助演だったのだけど、思いっきり主役ですね。

 そうそう、この映画をいま観たのには理由があって。先日『硫黄島からの手紙』、『ブラックホーク・ダウン』と、戦争映画を観て思うに、やはり今日日、戦争を題材にすると陰惨な描き方をしなければならない、みたいな部分があります。それで、からっとした娯楽活劇的な戦争映画を観たいな思った次第。『ナバロンの嵐』でも、前半からばたばたと人が死にますが、戦争の悲惨さとか、痛みとかそういうのはほとんど描かないです。今日の感覚だと、人命の描写がさすがに軽すぎるんじゃないかというくらい。敵の兵士どころか、仲間の死があっさりとしていたり。

 そのほかにも、さすがに今観ると古い感じがする描写は多々あり。ナターシャ・キンスキーとちょっとにた感じのパルチザンの美女役はいわゆる添え物女優で、意味もなく全裸入浴シーンがあったり、あっけなく殺されてしまうし、ひどい扱いです。

 途中でハリソンフォードがひげを剃る場面が好きです。たびたび書いてますが、劇中で数日旅をしていても服が汚れないとか、無精ひげが伸びないとか、映画の嘘だとはわかっても自分はそういうのを気にする性格なので、こういう画をちょっと入れておいてくれるとたいへん嬉しいです。