『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』

 シリーズ第一部も、個人的にはあまり乗り切れなかった『ロード・オブ・ザ・リング』ですが、本作を見て、その理由があらためてわかった。

 登場人物が一様に暗くて快活さがない。たとえば、フロドは生真面目で悲観的な性格づけなんだ、とかならいいですよ。でも、アラゴルンレゴラスも揃ってなんか陰鬱で大差がない。アラゴルンが断崖から濁流に転落して、あわや死んだか! という場面。『インディ・ジョーンズ』なんかにもこういう状況あった気がしますね。でも、インディなら「ところがどっこい生きてたぜ」とヒーローらしく戻ってくるところですが、アラゴルンは全然、颯爽としてないのです。

 彼に限らず、危機を脱してもいまいち盛り上がらないし、敵を倒しても爽快感がない。これはどうにも演出の失敗でしょう。

"The Lord of the Rings: The Two Towers"(2002年 監督:ピーター・ジャクソン