『ドラゴン・タトゥーの女』

 ハリウッド版がリメイクなのも、原作小説があるのも知らずに観賞。多くのレビューにも書かれているとおり、ヒロインのリスベット=ルーニー・マーラの魅力だけでも十分に釣り銭がきそうな作品。

 物語の前半は、リスベットの置かれている状況や、数十年前に疾走した少女の調査を丁寧に描いているのに、謎の真相に迫ったあたりから、いきなり雑な展開になってるように感じられて残念。アクション映画の基調ではなかったのに、中途半端なカーチェイスが入ったりするのもしっくりこなかった。

 情交の場面の賛否はともかく、いささか唐突。その後もリスベットがミカエルに惹かれていく、もしくは二人が次第に気持ちを近づけるような、心の動きがほとんど描かれていないのも不足感があります。メンヘルのパンクガールだから、そのへんの無軌道っぷりが却っていいのかもしれないけど、そうするとラストシーンのリスベットにはあんまり感情移入できなくなってしまうし、どうなのでしょう。